修行内容について
修行とは、特別な行を行うことでありません。
悪き習慣を離れ、善き習慣を身につけること、
毎日のライフスタイルそのものが修行になります。
朝は一日の始まりであり
クライマックス
朝は毎日、朝課(朝課諷経:ちょうかふぎん)から始まります。諷経(ふぎん)というのは、読経回向(どっきょうえこう)を行うことで、簡単に言うとお経を読んで供養することを言います。
朝から嫌なことがあり、感情的になるとずっと心が乱れるように、私たちは朝一番に考えたことが、その一日を作ります。お寺の朝は、ここまで命を繋げてきてくれた感謝と生きとし生けるものへの祈りから始まります。
丁寧に心の塵を掃く
仏道では、掃除は「心を磨く」修行とされています。
ただひたすらに無心に掃除をする時間は、心に溜まった埃や塵を払い清めてくれます。
自らの心を整えて理性的に生きる智慧を育てること。それが仏教です。
一所懸命生きるならば、あなたの「生」は必ず充実し、生き生きとした輝きを放つことでしょう。
美しい空間を保つ
抜いても抜いても生えてくる雑草のように、私たちの貪り・怒り・無知は何度も沸き起こってきます。そんな「心の雑草」に気づき、抜くことが修行なのです。
修行僧は、どんなに暑くても、どんなに寒くても長い廊下や本堂の畳をぞうきんで拭きます。何があっても毎日同じことを繰り返す。ただひたすらに同じことを繰り返す究極の日常を過ごすことが、自分の心を育て強くするのです。
立ち止まることなく進め
悩んでいて解決策が見いだせるなら悩めばいい。
でも、悩んでいても答えが見えないなら、その場所から一歩前に進む。気がつくと過去のことをくよくよと考えてばかりいたり、未来を憂いて心配していても何も変わらない。
頭は過去のことを考えることができますが、体は今この瞬間しか生きることができません。頭で過去を後悔したり未来を憂いても体はどうすることもできないため、それがストレスになるのです。お寺にいるとそれが体でわかってきます。
潔くこの瞬間を生ききる。それがよりよい未来へと繋がります。
小食・中食・薬石(しょうじき・ちゅうじき・やくせき)
お寺での食事は、精進料理(肉・鳥・魚を含まない野菜中心の料理)になります。精進とは「精魂込めて仏道に励むこと」。
食事の準備も修行として、僧侶たちが自ら行っています。
タンパク質は主に大豆。出汁も動物性は用いず、昆布やしいたけでとります。ていねいに下ごしらえし、食材をムダにすることなく皮や根まで使った献立は、栄養バランスに優れた理想的な食事です。
食材すべての命を大切にし、食材を育んでくれた方々を想い感謝して頂くこと、調理や炊事などの典座(てんぞ)も重要な修行になります。
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夜坐
夜は1日の反省をしながら、自分自身の心身と向き合います。今日1日起きた出来事に意味はなく、その出来事をどのように解釈するかに意味があります。寝る直前に考えたことは自身の思考形成に大きく影響するのです。
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体に気づく
佛心テンプルステイの中では「心」以上に「体」への気づきを重視します。心と体は密接に繋がっており、体の土台の上に心の安定・成長がつくられます。テンプルステイの中では、体に気づくためのプログラムなども行われます。
テンプルステイ後の変化
佛心テンプルステイでの日常は、たくさんの娯楽や贅沢な食事にあふれている毎日とは異なることが多いかもしれません。
しかし、お寺での規則正しい生活を続けていると、心身にエネルギーと活力がみなぎり、人間が本来持っている感じ取る力が戻ってきます。
テンプルステイを終えた時、五感(味覚・聴覚・嗅覚・視覚・触覚)や体・心の変化を感じることができるはずです。