小林賀章さん

- 気持ちも寛容的になれたのか、急いでいる人に通路を譲ったり、自然にそうしている自分に驚きました。
はじめてテンプルステイに参加させて頂きました。宿坊のような「おもてなし」ではなく、本当に「修行道場」という感じでした。伝統的儀式の形式を重んじ、食事のルールや所作も厳しく指導して頂きました。
使用した食器の片付けや掃除なども無駄なく速やかにかつ丁寧に行う中で単なる作業ではなく、すべての人の対しての思いを持っての行動で、無意識な行動は一切なし。その中でまたどんな気付きを得ることができたかを自分に問う。普段の日常生活がいかに深く考えず無意識に行なっていることの多さに愕然としました。修行中も幾度となく自分自身の甘さを痛い程感じました。
それとPCやスマホも使用せず、都心の雑踏、騒音の中での生活から離れ、自然に囲まれ、鳥やそこ動物たちの鳴き声、風に吹かれて聞こえる木々等の音に癒され、余計なストレスがないので、自分自身の気付きを深めるロケーションが整っていました。
ご指導頂いた僧侶の方々の参加者へのアドバイスもその人に合わせて高圧的、ダイレクト的な言葉ではなく、すごく思いやりと気遣いを感じる表現で話されていたのもとても勉強になりました。
食事もとても健康に配慮したもので、とても美味しく頂きました。作務で疲れた体にも優しく、細胞一つ一つに吸収されていくようでした。食事の量もちょうどよく、普段の生活ではかなり食べ過ぎていると実感しました。
3日目まで作務の際、しゃがんで草取りをしていて、慣れないせいで足腰に疲労が溜まりかなり辛かったです。4日目以降は草を取る時姿勢を工夫し、また草を抜くことだけに集中することができたのか、足腰にあまり疲労が残りませんでした。心は体に影響する、または体が心に影響を及ぼすと面白い発見ができました。
帰りの駅などの人の行き交う場所でもあまりイラつかず、気持ちも寛容的になれたのか、急いでいる人に通路を譲ったり、自然にそうしている自分に驚きました。
いつもなら頭の中で「譲れよ、そこ!」と舌打ちしていそうです。朝起きて仏壇の花の水の取り替え、お線香を上げていますが、母の戒名が日蓮宗なので「妙法蓮華経如来品偈」の読経を朝のルーティンに加えようと思っています。
「五観の偈」をいつでもどこでも食事の前に唱えられるよう覚えようと思ってます。心で思ったことを相手の立場になって考えてから、言葉にし、それに沿った行動をできるように心掛けて行きたいと思います。「そのために自分自身がまずどう心を整えいけるのか」、「巧みさをどうしたら身につけられる」、日々の生活を実践の場として精進していく所存です。テンプルステイでの経験は自分自身の財産です。
また自分自身がどう成長、変化はあったのかなど、テンプルステイの修行の場でまた見て頂けたら幸いに存じます。このような気付きを得られたのもテンプルステイで一緒に過ごした仲間と熱心に親身になって指導して下さった僧侶の皆様、そこに導いて頂いた大愚和尚にも大変感謝申し上げます。
合掌