K.Mさん

- ここからが私の修行の始まりです。
テンプルステイ終了後の感想は、長距離を途中投げ出したいような気持にもなりながら走り終えたような5泊6日やり終えた!という爽快な気持ちでした。テンプルステイに参加する前は、あれこれ特に深く考えず「楽しそうだなあ、いつか行ってみたいな」という軽い気持ちでしたが、ちょうどタイミングがうまく合い参加が叶いました。どんな滞在になるかはわからないけれど、とにかく楽しもう!という心構えでした。ですが2日目にはしんどい、足が重い、あと何日ある?といったマイナスの気持ちが沸き上がってきました。しかし、面白いことに滞在5日目には明日で終わってしまうのが名残惜しい気持ちになっておりました。
お食事中につい意識することを忘れてしまうと咀嚼の音が大きくなってしまったり、お箸を静かに置くにはお箸を丁寧に扱い、自分の動作に注意を払わなければならず、「瞑想とは気づきである」瞑想は日々の暮らしの中でできるものだと教えていただきました。
滞在中はお弟子さん方々が何度も私たちに忍耐強く注意をしてくださり、気づきの機会を与え続けてくださいました。その中でもいくつか心に残っているのが、疲れがかなりたまってきていた滞在4日目に「自分が疲れているときは周りの方も疲れている」というお言葉。皆で封入作業をしていた時「上手くできる人の真似をする、自分のやり方に固執しない」というお言葉。抜いた草をテミの中へポイっと投げるように入れて作業をしておりましたら「草にも命があります。尊敬の念をもって接しましょう」というものです。普段いかに意識せずに生活しているかを思いしらされました。そしてお弟子さん方々が常に大きな声で「お願いします」や「ありがとうございます」といった声掛けをしておられる姿を見てこういったやり取りが人と人とのコミュニケーションを円滑にしていくのだなと見せていただきました。
今回の滞在で素敵だな~、と感じた所作はすべて真似をしていきたいです。大きな声であいさつをする、相手が気持ちよく感じるように返事をする、両手で食器を持ち上げ両手で下に置く、他人が不快に感じる音を出さないように丁寧に動く、いただく命に感謝をする、自分は他の方々に何を与えられるかを意識する。善き習慣(善き思考、善き言葉、善き行い)を無意識のレベルにまで落とし込んでいくことが修行だと教えていただきました。ここからが私の修行の始まりです。
この滞在では大変素敵な善友に恵まれました。
お弟子さん方々をはじめ、福厳寺のスタッフ皆様に深く感謝いたします。
合掌。