T.Tさん

- 段ボールに対し合掌し、心から感謝している自分がいました。
テンプルステイでの生活では、「きついな」、「いつまでやるのかな」、などの感情がわいてしまう場面がしばしばありました。また食事の時間なども、作法を間違えないことや音を立てずに食べることなどに疲れてしまい、せっかくのおいしい食事なのにストレスを感じる時間でもありました(食事は本当においしかったです!)。
それでもひたすら、朝課や掃除や作務、食事はもちろん、それ以外の生活の時間もすべて修行という意識で一生懸命に取り組んでいるうちに、少しずつですが自分の心と体に向き合うという感覚を感じるようになり、それに伴いここでの生活に対するネガティブな感情も少しずつ減っていくのを感じました。
さらにテンプルステイ後半では自分自身の心に対しても変化も感じるようになりました。具体的にいうと、どうしても許すことができなかった過去の出来事や人に対して、憎しみが消え、いつまでもそれに執着しても意味がないと思えるようになりました。またあるとき、膝を傷めてしまったため、段ボールを敷きそのうえで四つん這いになりながら草むしりしていたのですが、作務終了時に段ボールに対し合掌し、心から感謝している自分がいました。
体にも変化がありました。子どもころからずっと猫背だったのですが、正しい姿勢を維持できるようになりました。まだ完全に矯正された訳ではなく、正しい姿勢の状態に少し疲れを感じるときもありますが、それ以上に猫背の姿勢になることに抵抗を感じるようになりました。最終日に「テンプルステイが終わってからが、本当の修行です」と言われましたが、テンプルステイ中は環境と仲間に守られていたということを痛感しています。普段の生活すべてをテンプルステイのようにすることはできませんが、「規則正しいい生活」、「掃除」、「感謝」、そして「不要な刺激からできるかぎり距離をおくこと」を心がけて生活していきたいと思います。
テンプルステイでは本当に素晴らしい経験をさせて頂きました。ここで学んだことは本を読んで知識をえても、実際に時間をかけて体験しなければ絶対に理解できないことばかりでした。本当にありがとうございました。