参禅者の声

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K.Yさん

これまで欲望に振り回されて、妄想の中で生活していたことが多かったかということに気づくことができました。

今回のテンプルステイでは、内弟子の皆様に本当に多くのご指導とご助力をいただきました。その一つ一つの動作や教えから、学ぶことの多い貴重な一週間を過ごすことができました。心より感謝申し上げます。

テンプルステイを経験して、これまで欲望に振り回されて、妄想の中で生活していたことが多かったかということに気づくことができました。食べ物を例にとってみても、肉系のものや、甘いものがないと満足感が得られていませんでしたが、薬石を丁寧に味わった際には、不思議と今まで以上に満足感を得られたことに驚きました。

内弟子さんの動きや読経が寸分の狂いもなく揃っている様子にも感動しました。一つ一つの動作を周囲と調和させることの大切さに気づき、自分が普段どれほど周りを意識できていないのかを痛感しました。また、先回りして考える力の不足や物覚えの悪さなど、自分自身の現実の姿とも向き合うことができました。今まで仕事や家庭でも気づかないまま、巧みでない行いを周りにしていたのだと思います。この気づきを受けて、できていない部分を一つずつ改善しつつ、不器用な自分を受け入れ、謙虚な心を持つことが大切だと感じました。
そんな中でもテンプルステイでは、多くの参加者に助けていただき、参加者から学ぶことがたくさんありました。大愚和尚がおっしゃったサンガの大切さを感じることができました。

大愚和尚が「掃除は運動になる」とおっしゃった意味が、テンプルステイでの作務を通じてようやくわかりました。自宅での掃除とは全く違い、全身を使いながらスピーディな作業でしたので、体全身が筋肉痛になりました。この体験をきっかけに、自宅や職場の掃除を、運動を兼ねた日課として取り入れていこうと考えています。また、作務では素早い動きでありながら、どの動作も雑にならず丁寧に行うことが求められました。振り返ると、普段は常に急いで焦り、雑になりがちだったことに気づき、このようなことが、物事がうまくいかない原因の一つになっていたのだと思いました。これからは、掃除をはじめ全ての作業の一つ一つの行いをスピーディ且つ丁寧にこなし、毎日の生活を整えていきます。

また、瞑想を通して妄想から離れることを学びましたが、作務をしながら観察していると、妄想に気づいてもまたすぐにその中に戻ってしまうという繰り返しがありました。最終日には、「妄想しないことを意識するよりも、今行っている作業に集中することが大切」と教えていただきました。この学びを大切にし、日々の生活の中で目の前の作業に集中する習慣を身につけていこうと思います。

今回のテンプルステイで、これから目指していきたい姿が体感できたように感じています。これからの日々の生活で教えていただいたことを大切にし、日々の行動に反映させていきたいと思っております。