恒道一法さん

- さらに新たな自分へと前進できる気がしてなりません。
テンプルステイでの大きな気づきは3つありました。
一つは、自分の中にまだまだ慢が多く存在することに気づき正す努力ができたことです。仏教を学び、少しずつこれをなくす努力をしてきましたが、日常生活から離れお寺の生活に入ることにより普段の自分のままでは通用しないことがたくさんありました。指摘を受けるたびにまるで自分を否定されているかのように最初は受けてしまっていました。これは、社会人経験も長く、知識や技術も身につけた今、日ごろの業務の中では自分から指摘をすることはあっても、誰かから正しく指摘されることがなくなったゆえのことなのだろうと思います。5泊6日の生活の中で頻繁に指摘を受けるにつれ、だんだんと素直に自分の至らなさを見つめ、素直に正すことができるようになりました。二つめは、体力と心の問題にあらためて気づいたことです。私はスポーツをやっており、週2〜3回のトレーニングを積んでおりますが、お寺の生活の中でじわじわと蓄積される疲労には対応できず、また生活環境が変わったことによる睡眠バランスの崩れから次第に体調が優れなくなってきました。身体に力が入らない時もありましたが、その度に集中力が途切れ気持ちがマイナスに転じていくのがわかりました。生身の人間である以上、疲れは避けられないことではありますが、日常生活に戻ったときにはできるだけ蓄積しないような工夫をしていかなければ確実に心への影響が大きく出てくるのだと感じました。これから改善策を考えて講じていく所存です。
三つめは、社会人になってからは多くのことをすばやく正確に処理することを意識してきました。このことは業務において非常に重宝されてまた多くの方々に貢献してきたと自負しておりますが、いつしか効率を重視しなくてもよいところにまでその意識を使っていたことに今回のテンプルステイでは気づかされました。すべてにおいて効率を求めると、どこかで歪みができてしまうことにあらためて気づくことができました。動作にメリハリをしっかりつけて、多くのことにすばやく思考をめぐらせつつも、ゆったりと静かな動作を心がけてみるという新たな試みを今後の日常生活に取り入れてみたいと思います。
以上が今回のテンプルステイの中で得られた大きな気づきです。これらを今後正しく実践していくことで、さらに新たな自分へと前進できる気がしてなりません。
和尚さまをはじめ、ご指導いただいた内弟子のみなさま、テンプルステイに関わってくださったみなさま、そしてともに厳しい5泊6日を経験した参加者の皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。