参禅者の声

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吉井篤さん

静寂の中で非言語的なつながりを感じ、先人たちの知恵の詰まった躾や型に触れることで、自分自身を見つめ直す機会となりました。

5泊6日の間、大変お世話になりました。
僧侶の皆様が私たち参禅者に真摯に向き合ってくださったおかげで、多くの気づきと学びを得ることができました。
本当にありがとうございました。
その中で特に印象に残った気づきをまとめます。

非言語でのコミュニケーション

テンプルステイが始まった当初、私語厳禁という言語に頼ったコミュニケーションがとれない環境で、正直不安や戸惑いを感じました。
これまでの社会生活では言語が重要な役割を果たしていたため、初めて出会う人達とのテンプルステイは挑戦でした。

しかし、テンプルステイが進むにつれて、非言語的なコミュニケーションが自然と生まれました。
行動や身振り、相手の立ち居振る舞いを観察することで、その人の人柄や思考に触れる感覚を得ました。
この体験を通じて、言語に頼らずとも他者を理解し、信頼関係を築くことができるという新しい視点を得ました。

また、言語が日常生活においていかに強い影響力を持つかを再認識しました。
さらに、普段気にも留めない物音や行動が、知らず知らずのうちに他者に与える影響についても深く考える機会となりました。
それらを慎むことで、他者に不要な影響を与えないということの重要性を肌で感じました。

躾と型の重要性

テンプルステイを通じて、躾や型の持つ意義についても多くの学びがありました。
躾は単なる礼儀や形式ではなく、日本人の身体能力を最大限に引き出すための先人たちの智慧の結晶であることを実感しました。
その動作には高い再現性があり、それを実践することで日本人の体に合った身体能力を高める効果があることを教えていただきました。

また、作法や型には儀式的な意味合いもありますが、それ以上に「何を重視しているのか」を深く考えることが重要であると感じました。
躾は、単なる形式的な行為ではなく、身体と心を高めるための学びであり、それを通じて日常生活でも応用できる貴重な価値を見出しました。

終わりに

今回のテンプルステイを通じて、普段の生活では意識しない心の在り方や他者との関わり方について、多くの気づきを得ることができました。
静寂の中で非言語的なつながりを感じ、先人たちの知恵の詰まった躾や型に触れることで、自分自身を見つめ直す機会となりました。
この学びを日常に活かし、より丁寧で意識的な生活を送っていきたいと思います。