O.Mさん

- テンプルステイの最中、「如何に自己を捨てるか」、その体得に集中していたように思います。
テンプルステイに参加して明るさと活力を取り戻し、毎日を元気に過ごす妻に刺激され、私も参加を検討しはじめました。また、普段の教育活動に携わる中で、知識や理論に偏った学習に限界を感じることもありました。さらに、専門分野である哲学の理論的な基盤を深める上でも、あいだを生きること、行為を養うことについて、洗練された僧侶の方々から学びを得たいと思っておりました。
はじめは、「何を得るのか」について意識が向いておりましたが、「大切なのは何を捨てるかです」と仰っていただいてから、雑念に気が向かなくなったように思いました。テンプルステイの最中、「如何に自己を捨てるか」、その体得に集中していたように思います。
これまで、あいだを生き、あいだを豊かにするということは、自己を捨てることにおいてあるということを、西田哲学の場所論から観念的に知ってはいましたが、日常生活において実践するということ、またそれが巧みにできるということは全く別であることを改めて感じさせられました。特に作法が、他者に与えるだけでなく、心に与える影響、心の気付きを得るきっかけとなることは大きな発見でした。
今回、自己を離れるということを身をもって教えていただきましたが、それを僧侶様無しで実生活の中で生かしていくためには、一人では難しいため、仲間との環境づくりを始めています。生活リズムを整えることが大きな土台となり、座禅や掃除は自己を手放す善き訓練となるということ。自己を手放すことにおいて教育があり、いまここの行為の最中においてはじめて哲学し得ることを忘れずに、日々精進したいと思うようになりました。