千洋江水さん

- ここに至るまで何年もかかりましたが、私の人生にとって、何よりの宝物です。
テンプルステイが終わって1週間が過ぎました。今回の経験を通して、参禅させていただいた目的はすべて達成することができ、さらに大きな学びがありました。長くなりますが振り返ってまとめます。
感想・気づき・変化
1.生活習慣の改善
参禅前は、時間にけじめのないダラダラした生活でした。6日間を経て、以前よりパッと動き、パッと休むことができるようになりました。仕事でも食事でも、SNSなどに気を散らさず、その時々の作業に集中する習慣が身につきました。2.お寺を理解する
これまで、youtubeの「一問一答」から大愚和尚様のことを知り、佛心宗の活動への参加範囲を少しずつ広げ、深めて参りました。今年は戒名もいただきましたが、お寺やお弟子様方のことはよく存じ上げず、親しみは抱きつつ、どこか遠い気持ちがありました。自分の中では、大愚和尚様と、お寺やそのお作法、お弟子様方、和尚様の事業がバラバラに認識されており、和尚様のおっしゃる「よく生きる」ということと、そのほかのことが愚かにも結びつかずにおり、学びの機会を自ら手放したことも何度かありました。
しかし今回、お寺で過ごさせていただいたことで、すべてがつながっていることが、頭ではなく体感で理解できました。お釈迦様の教えを受け継ぐ大愚和尚様と、そこに集まる自分を含めた多くの方々がいて、法のもとにそれぞれの活動をしてお寺が成り立っていること、お寺がすべての活動の中心であることを感じました。読経をする意味も理解できました。このことは、今回参禅させていただいた中で最も大きな学びです。
今回、5泊6日間、内弟子の皆様とともに施設や境内をお掃除したり歩いたり、色々なお話をさせていただいたことで、福厳寺は私の家になりました。ここに至るまで何年もかかりましたが、私の人生にとって、何よりの宝物です。3.仏教の実践について、自分の現状と課題を知る
大愚和尚様の説かれるお釈迦様の教えは、耳で聴いて頭で理解したつもりになっていましたが、実際に自分には何ができていて何ができていないのか、自分ではなかなか気づけず、指摘してくださる存在が必要でした。
お寺での生活を体験し、お弟子様方の在り方に触れ、自分自身も実践をして、教えを形にするとはどういうことかを体感することができました。
常に私たちの状態を見ていてくださり、間違いがあれば妥協なく真摯に正してくださり、時にはさりげなく支えてくださったお弟子様方には感謝に堪えません。お食事のときに真龍さんに指摘していただいたことは忘れません。自己開示ができていない自分を突きつけられた思いで、その夜は涙が止まりませんでした。
できていると思いこんでいて実はまったくできていなかったことに気づけた6日間でした。今振り返っても、「へそと顔を向けて挨拶」といった基本すらできておらず本当に恥ずかしく赤面のいたりですが、今後、常に意識して過ごしたいと思います。4.人と調和する
「滞在中は我を張らず、人と協調して過ごそう」と決意して参禅しました。時々、自分都合が出てしまったりもしましたが、その都度自分を見つめ直す時間を持つことができました。その過程に向き合って下さった成道さん、ほかにも身体の使い方や礼儀作法、中道の考え方などあらゆることで多くの気づきを本当にありがとうございました。初めは自分の面倒を見るのに精一杯でしたが、最後には、どんな場所であろうと今いる環境は自分で作る、ひとりではなく周囲の人々と協力して作る、という意識で動けるようになりました。
「効率も大事だけれど、作務を通しての気づきが大事」「作務が途中までしか終わらなかったとしても、人をお待たせしないこと」と本質を教えて下さった大勇さん、素敵な笑顔で一緒に作務をして下さった大禅さん、儀式やお食事で常に私たちを気遣い手を差し伸べて下さった真龍さん、最終日にご自分のお作務の後にお掃除を手伝って下さった同期の参禅者の方、集合時間やお作法など様々に助けて下さり苦楽を分かち合った同室のお二方、参禅者の皆様のおかげで最後まで続けることができました。この場を借りて感謝申し上げます。今後の生活への生かし方
1.自分と人に気づき続ける
お寺を離れてから、世の中の人や物事が今までとは違って見え、感じられるようになりました。自分自身の状態についても、少しは落ち着いて目を向けられるようになったように思います。お寺を離れれば善友ばかりではない世間が待っていますが、常にお寺を心に置いて、人と自分の状態に気づいて過ごしたいと思います。2.早寝早起き、素早く動く
早起きはできるようになりましたが、早寝がまだまだです。気を抜くと元の生活に戻りかねないので、常に自戒し、素早く動くことを意識して過ごしたいです。3.身体を動かす・癒す
帰宅後数日間、足がとてもむくみました。常に身体を動かすお寺での生活から、座る時間が長い生活に急に移行したためかと思います。帰宅後も毎朝お掃除をして汗をかいており、身体を動かすことが心地よいと感じます。足が悪くて動けないと思い込んでいましたが、実は動いた方が楽なのではないかと思うようになりました。
FMTの枕を購入しました。毎日使って一日の疲れをとっています。6日間ついていけるか不安でしたが、おかげさまでやり通すことができ、身体についても自分の可能性を感じることができましたので、さらに学びを続けたいと思います。6日間、本当にありがとうございました。この間の出来事が様々に胸に迫り、最終日は離れがたい気持ちでいっぱいでしたが、まずはお寺で得た学びを心にとどめ、自分の生活をしっかりと送りたいと思います。そして、今後もサンガとのかかわりを深めて学びを続け、時が来ればまた新たな気持ちでテンプルステイに参禅して、その先の修行をさせていただきたいと思います。
大愚和尚様、内弟子の皆様、お寺でお会いした皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。またお会いできる日を心待ちにしております。合掌