参禅者の声

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A.Aさん

この経験を通して得た学びを胸に、より良い自分へと成長していきたいと考えています。

テンプルステイの学びと気づき

2024年7月、福厳寺で5泊6日のテンプルステイを経験し、私の人生に大きな変化が訪れました。

1. 規律ある生活と心の変化
 規則正しい生活を送ることの大切さに改めて気づきました。早朝の起床から始まり、毎日の作務や坐禅など、決まった時間に決まったことを行う生活は、最初は戸惑いもありましたが、次第に心の安定へと繋がっていきました。
特に、朝課での読経は、心のざわめきを鎮め、一日の始まりを清々しく迎えることができました。煩悩に振り回されていた心が、次第に静まり、自分自身と向き合うことができるようになりました。

2. 日常生活との対比と気づき
 テンプルステイでの生活は、普段の忙しい日々とは全く異なるものでした。携帯電話を持たない生活、そして誰かと比べることなく、ただ自分と向き合う時間。これらの経験を通して、私は現代社会がいかに便利で情報過多であるか、そして自分がいかに外側の情報に振り回されていたかに気づかされました。
また、作務を通して、全ての事に感謝の気持ちを持つことの大切さを学びました。食事を用意する、掃除をする、これらの当たり前の行為一つ一つに、感謝の気持ちを持つことで、日々の生活がより豊かになることを実感しました。

3. 精進料理を通して”足るを知る”
 精進料理は毎食とても美味しかったです。食べる前は量が少ないと思いましたが、食べた後には”足るを知る”という気づきを得ました。食事は儀式のようにゆっくりと丁寧に進められるので、腹八分目でも満腹感を得られるのかもしれません。食事のたびに体調が良くなり、体は軽くなりました。普段は食欲を抑えられず、ながら喰いをしてつい食べ過ぎてしまいます。そのせいかいつも胃の調子が悪かったです。しかし、精進料理を食べたときはまるで胃が喜んでいるようでした。野菜中心のメニューは味に奥行きがあり、作り手の真心が感じられました。肉魚卵は使っておらず、シンプルなのに満足感は非常に高かったです。味が良いのはもちろんですが、これほど心が満たされる食事を食べたことがないと感じました。

4. 善友の大切さに気づく
 酷暑と体調不良のため正直なところ途中で帰りたくなりましたが、善友たちの慈悲や心施、愛語のおかげで最後まで完遂することができました。人生も同じで、支えてくれる人たちがいるから生きていられるのだと思い、感謝の念が込み上げました。

5. 今後の生活への活かし方
 今後は、テンプルステイで得た学びを日々の生活の中で少しずつ実践していきたいです。
 (1)早寝早起き: テンプルステイで身に着けた早寝早起きの習慣を続け、心身のリフレッシュを図りたいと思います。
 (2)感謝の気持ち: 何事にも感謝の気持ちを持ち、周りの人々や物事に優しく接したいと考えています。
 (3)10分前行動: 自分のために時間を作ってくれた相手への感謝の表れであり、自分の心にも余裕が生まれるという側面もあるので、引き続き心がけていきたいです。
 (4)自分との対話: 忙しい日々の中でも、自分と向き合う時間を作り、心身の声に耳を傾けるようにしたいです。
 (5)シンプルライフ: 物質的なものに執着せず、本当に必要なものだけに囲まれたシンプルな生活を送りたいと思います。

6. まとめ
テンプルステイは、私にとってかけがえのない経験となりました。この経験を通して得た学びを胸に、より良い自分へと成長していきたいと考えています。

大愚和尚様、福厳寺の皆様、この度は大変お世話になりありがとうございました。慣れない環境に戸惑い、何度も同じ注意をされ、遅刻を繰り返し、出来の悪い参禅者だったと反省し申し訳なく思っております。皆さんは、こんな私に優しいお言葉をかけ、お叱りや激励の喝を入れてくださり、本気かつ真剣に向き合ってくださいました。私はそれがとても嬉しく、有り難いと思いました。歳を重ねるにつれて叱られることは滅多になくなり、自分を甘やかしがちでしたが、喝を入れていただいたおかげで身の引き締まる思いを感じました。重ねて感謝を申し上げます。今後また福厳寺を訪れる際には、どうぞよろしくお願いいたします。