N.Nさん
- ひとつひとつが私の宝物
このたびは福厳寺の生活に迎え入れて下さり、誠にありがとうございました。
夜の振り返り時点では考えがまとまらず話せなかったこと、下山して感じたことを中心に書かせて頂きました。初日から3日目までにかけては「これをすることで何が変わるんだろう?」という困惑があり、疲労と相まって、夜の座禅では怒りのような不満が湧いてくる始末でした。
今から考えますと素直さが足りなかったと思います。仏様の教えに従おうという覚悟が決まっておらず、仏様の教えをしんから信用していなかったので、教えをそのまま、すぐ受け取らずに、まず自分の価値観に照らし合わせていたのだと思います。ですが4日目に、このままは結局、自分に都合のよいことしか受け入れられず、成長できないと気づかせていただきました。
5日目、最終日は子どものように夢中になって、頂いた仕事を全力でやり、清々しい気分を味わうことができました。
「教えを乞う姿勢」の基礎を学ばせて頂きましたので、今後は、大愚和尚のYouTube動画を改めて見返しまして、グッと抵抗を感じた教えこそ、いま実践すべき教えと捉え、夢中でやってみようと存じます。また、下山して間もないですが、日常が変わったことを実感しています。ありがたい、という感謝の気持ちを頻繁に感じるようになりました。あたたかな気遣いに満ちた時間を過ごさせて頂き、善友に揉まれ、心の角が取れて丸くなったのではと思います。内弟子の皆さまはもちろんのこと、同じ参禅者の仲間や、福厳寺に関わるすべての方々が、なぜかもれなくあたたかく、トラックに乗って敷地内を走っておられた業者さん(おそらくお米屋さん)ですら、大変にこやかに会釈して下さいました。お寺は素晴らしいです。偉大なお寺パワーのことを、しみじみと思い返しています。
さらに、感謝を思うだけでなく言葉にするようになりました。本日の帰路にて、駅のお手洗いを掃除して下さっている方がいらっしゃいまして、今までは何となく気まずいような心地で素通りしておりましたが、今日は「ありがたいな」と感じ、すんなりとお礼を申し上げてお手洗いを出ました。
テンプルステイでは丁寧な挨拶やお礼が当たり前でした。走っていても作業の途中でも、いったん全てを止めて帽子を取り、合掌、礼拝、笑顔、相手を見る。ステイ中は特に意識せず、皆様の真似をしてやっておりましたが、いま振り返ってみると、とても貴重な環境に身を置けたのだと感じております。
あまりにたくさんのことを感じさせて頂き、たくさんお世話になり、書き切れません。皆様から頂いたご助言はひとつひとつが私の宝物です。もっと心も体も柔軟になるよう精進します!
これからまた一人暮らしの、緩みやすい環境に戻りますので、また時期をあけて、季節を変えて、皆様のサンガに加えて頂けますと幸いです。
ありがとうございました。